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「国際先住民観光会議2024」(カナダ開催)に日本から初めての招待ゲストとしてウポポイの村木本部長が参加

最終更新日:2024年2月26日

2024年2月26日から28日まで、カナダ オンタリオ州オタワで開催される「国際先住民観光会議2024(International Indigenous Tourism Conference:IITC)」に、民族共生象徴空間ウポポイの村木美幸運営本部長と、体験教育課でアイヌ語の普及プログラム等を担当する荒田このみ主任が招待されました。村木本部長は、28日朝の全体セッションで、メキシコからの登壇者と共に約1,000人の会議参加者へ向け、日本の先住民族アイヌの文化や観光の取り組みを紹介します。荒田主任は、2日目28日午後の分科会でアイヌ語の継承についてお話しします。日本から招待を受けてパネリストとして参加するのは今回が初めてです。

同会議は、先住民観光に関する世界最大のカンファレンスで、カナダ先住民観光協会(ITAC)によって企画されました。先住民自らが、多様な文化、伝統、観光体験を紹介する「先住民観光(インディジナス・ツーリズム)」の魅力を世界に広めるため、先住民観光の促進に尽力する業界のプロフェッショナル、コミュニティリーダー、起業家等が集います。パネリストはカナダ全土をはじめ、ニュージーランド、フィンランド、メキシコ、米国、日本などから集まり、参加者は主催者によると約1,000人が見込まれています。この会議では、参加者同士が成功事例や互いの知識を交換し、国際的なネットワークを作り、将来的な協力者を見つけることで、先住民観光のセクターにポジティブな変化と成長が促進されることが期待されています。

同会議は、2016年にカナダ・ノバスコシア州メンバートゥで初めて実施され、2019年までは毎年実施されていました。2020年以降、新型コロナウイルスの影響で中断されていましたが、2023年にマニトバ州ウィニペグで再開され、今回で6回目となります。

日本からの招待は、昨年9月に北海道大学を会場に実施された国際シンポジウム「先住民観光の挑戦」(2023年9月14日 主催:北海道大学観光学高等研究センター、アイヌ民族文化財団、国立民族学博物館、カナダ観光局)で来日した、カナダ先住民観光協会会長兼CEOキース・ヘンリー(Keith Henry)氏がウポポイを見学したことで実現しました。

基礎情報

事業名

国際先住民観光会議2024
2024International Indigenous Tourism Conference (IITC)
https://site.pheedloop.com/event/EVEFXGDGYEIWB/home

開催期間

2024年2月26日から28日

開催地

カナダ オンタリオ州 オタワ市 ショー・センター

主催者

カナダ先住民観光協会(ITAC)

過去の開催年と開催地

2023年 –マニトバ州ウィニペグ
2019年 –ブリティッシュコロンビア州ケロウナ
2018年 –サスカチュワン州サスカトゥーン
2017年 –アルバータ州カルガリー
2016年 –ノバスコシア州メンバートゥ

カナダ先住民観光協会(ITAC)とは

カナダ先住民観光協会(ITAC)は2015年に設立され、カナダの10の州と3つの準州に住む先住民の社会経済状況を改善することを目的としています。ITACは、カナダ全土の先住民観光の成長をサポートするため、先住民観光オペレーターやコミュニティ、または文化ツーリズムビジネスを始めようとする人々を支援しています。また先住民関連団体や政府機関、旅行業界のリーダーたちとパートナーシップを組み、経営助言サービス、国際会議の企画、人材育成事業、先住民観光に関する統計や情報発信などを事業として行っています。

日本からの招待参加者とプロフィール

村木 美幸(むらき みゆき) ポンレ:イタンキトゥイ
公益財団法人アイヌ民族文化財団 副理事長
民族共生象徴空間(ウポポイ)運営本部長
(*ポンレはウポポイで使用しているアイヌ語のニックネーム)

1959年白老町生まれ。1985年より財団法人アイヌ民族博物館(白老町)に勤務。学芸課長(1993年~)、館長、専務理事を歴任。旧アイヌ民族博物館(ポロトコタン)は、地元白老のアイヌが設立・運営した私営の博物館で、アイヌ自ら博物館を建設し、アイヌ文化の伝承と人材育成の基盤をつくった。本人は「この博物館で、私も育てていただいた」と語る。

同館では、白老地方に伝わるアイヌ舞踊や歌の実演や調査、イヨマンテ(クマの霊送り儀礼)に代表されるアイヌ民族の信仰儀礼の復興、食文化の伝承活動、人材育成・教育普及事業の他、ロシア民族学博物館や国立ベルリン民族学博物館など、国内外のアイヌ資料の調査研究も担当。2012年からは国立アイヌ民族博物館の構想づくりに委員として携わり、2018年から公益財団法人アイヌ民族文化財団常勤理事、2020年7月の開業とともに民族共生象徴空間ウポポイ運営副本部長、2023年6月より現職。

これまでに手掛けた展覧会に「テケカラペ―女のわざ : ドイツコレクションから : アイヌ工芸品」展(1999年アイヌ民族博物館)、「イカㇻカㇻ アイヌ刺繍の世界」展(2016年苫小牧市美術博物館)など。主な著作にアイヌ民族博物館編「アイヌの自然シリーズ第4集:アイヌと植物<薬用編>」(2004年)、JR北海道の社内誌「The JR Hokkaido」「なるほどアイヌ文化エッセイ ソンコdeソンコ」(2012年から連載中)など。

荒田 このみ(あらた このみ) ポンレ:ニヌㇺ(ㇺは小文字)
民族共生象徴空間(ウポポイ) 文化振興部体験教育課主任

北海道旭川市出身。現在36歳。幼少期よりアイヌにルーツを持つ母方の祖母について歩き、旭川周辺地域で行われる儀礼や行事に参加をしていたが、父親の転勤により6歳の頃に札幌へ引っ越してからはそれまで身近に感じていたアイヌ文化から離れた生活を送ることとなる。2005年に参加した青少年国際交流(ハワイ)に参加をしたことをきっかけにアイヌにルーツを持つ仲間と出会い、自分のルーツについて興味を持ち始める。それ以来、古式舞踊を始め口承文芸やアイヌ語を学んできた。現在は同じアイヌにルーツを持つ男性と結婚し3人の子を授かったことで、学校教育または家庭内でのアイヌ文化やアイヌ語の在り方、伝承(継承)方法などについて考えることが多い。こどもたちがアイヌであることで苦労しない生活を送るために、親としてもアイヌとしても、どのように行動すべきかを考えながら、アイヌ文化(アイヌ語)の発信、復興に尽力している。

2012年、3年間の「アイヌ文化伝承者育成事業」修了。特にアイヌ語に興味を持ち、2012年から2015年まで、アイヌ民族博物館(ポロトコタン)でアイヌ語の聞き起こし業務などを担当。2016年~2018年、「実践上級講座口承文芸伝承者育成」事業の解説指導員を担当。芸能の分野では、2011年にアイヌ古式舞踊復元チーム「チームnikaop」を結成。2015年より「帯広カムイトウウポポ保存会」のメンバーとしても活動している。

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