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国立アイヌ民族博物館 ホリデーイベント「文書・伝承・地層に残された胆振の津波」を開催
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アヌココㇿ アイヌ イコロマケンル 国立アイヌ民族博物館(北海道白老町、野本正博館長)は、令和7年11月29日(土)にホリデーイベント「文書・伝承・地層に残された胆振の津波」を開催します。
- ホリデーイベントは、土日祝日等に当館の職員が中心となって実施する特別イベントです。幅広い年齢層の来館者に学びと楽しみを提供します。
1. ホリデーイベント「文書・伝承・地層に残された胆振の津波」
今年7月30日、カムチャツカ半島付近を震源とする地震に伴い、北海道の太平洋沿岸に津波警報が発表されました。胆振地方でも一時的に避難が行われるなど、地域は緊張に包まれました。幸い今回は大きな被害はありませんでしたが、過去には胆振地方を大津波が襲ったことがありました。
17世紀に胆振地方を襲った津波は、白老をはじめとする沿岸地域に大きな被害をもたらしました。その影響は、古文書の記述やアイヌ民族の伝承、そして地層に残された痕跡などから確認されています。本イベントでは、これらの資料を手がかりに当時の津波の実像を検証し、自然災害の歴史的理解を現代の防災へとつなげる視点を提示します。
2. 日程・場所
日時
2025年11月29日(土) 14:00~15:00
場所
国立アイヌ民族博物館 1階 交流室
講師
西村 裕一(津波防災サポートプロジェクト(つなサップ)代表)
北海道大学理学部出身(理学博士)。元北海道大学地震火山研究観測センター准教授。津波堆積物を手がかりに、古地震の実像解明や巨大地震の長期予測に関する研究を進めている。2018年の北海道胆振東部地震で出現した噴砂の特徴に関する研究なども手がける。地域に向けた防災教育・避難支援にも長年取り組んでおり、つなサップ代表として市民と研究者をつなぐ活動も展開している。
プレゼンター
シン ウォンジ(国立アイヌ民族博物館 研究員)
北海道大学理学部出身(修士)。近世の朝鮮人漂着事件を中心に、朝鮮漂流民とアイヌ、松前藩との文化的接触や相互認識について研究している。あわせて、アイヌの伝承や自然災害の記録など、地域に残る歴史資料を通して自然と人との関わりを読み解く研究にも取り組む。






