お知らせ
初開催「2025世界先住民族伝統競技大会」(台湾開催)に日本の先住民族として招待を受け職員15名の選手団等を派遣
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2025年12月10日(水)から12日(金)まで台湾屏東県ほかで初開催される「2025世界先住民族伝統競技大会」および関連イベント「先住民族女性リーダー国際フォーラム」(12月11日)に公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市中央区、常本照樹理事長)が運営するウポポイ(民族共生象徴空間)の職員を含む、計15名が招待されました。
世界先住民族伝統競技大会では、実施される伝統スポーツ10種目のうち7種目に、アイヌにルーツを持つ職員も含めた計13名が参加します。先住民族女性リーダー国際フォーラムでは、教育と文化をテーマとするフォーラムで当財団職員がパネリストとして登壇し、生い立ち、ウポポイにおける取組や家庭内における伝承などについてお話しします。
2023年から続く台湾原住民族との相互交流の深まりを背景に、原住民族委員会から今年7月に打診を受けたことから、今後の運営課題への取組の推進を目指して本大会参加に取り組むものです。
2025世界先住民族伝統競技大会
原住民族委員会が主催し、オーストロネシア文化の絆と民族共生をテーマに行われます。台湾の原住民族の16民族及び平埔族群だけではなく、マーシャル諸島、パラオ、ツバル、グアテマラ共和国、ニュージーランド、フィリピン共和国、アメリカ(グアム、北マリアナ諸島、ハワイ州)、カナダ、日本の計10カ国から28チーム、伝統レスリングを始め伝統的スポーツ10種目を競います。
主催者発表では約1100人が参加する見込み。スポーツを通じて、台湾が国際的な先住民族文化の出会いと理解の重要な場になることが目指されています。本大会に関連して「先住民族女性リーダー国際フォーラム」(12月11日)や「パシワリ音楽祭」(12月13日、14日)も併催されます。
開催概要
事業名:2025世界原住民族傳統運動會/世界先住民族伝統競技大会
2025 World Indigenous Traditional Games(WITG)
https://2025witg.com/en-home/(英語)
開催期間:2025年12月10日(水)から12日(金)まで
開催地:台湾 屏東県、高雄市ほか
主催者:原住民族委員会
原住民族委員会とは
原住民族委員會(CIP)は行政院に属する政府機関で、原住民族の権利保障と文化振興を目的に立法院の承認を経て1996年に設立されました。2002年に現在の名称となり、教育・文化、保健福祉、経済・公共建設、土地管理など幅広い部門を持ち、約160名の職員が所属。2024年5月、主任委員に曾智勇(ラウツ ジンルル)が着任、組織代表を務めています。憲法改正や政策白書、新たなパートナーシップ協定に基づき、生活の質向上や文化振興を政策目標に掲げ、持続可能な村落開発計画も推進しています。
台湾には16の公認原住民族が存在し、委員会は彼らの生活改善と社会参加の促進を目指しています。
https://www.cip.gov.tw/zh-tw/index.html
日本からの招待参加者とプロフィール①
- 参加プログラム:世界先住民族伝統競技大会
- 7種目(伝統的アーチェリー、伝統音楽と舞踊、丸太切り、伝統的綱引き、網投げ、伝統的カヌー競漕、重量運搬)
- 開催は10種目
- 参加:計13名(内訳:男性 6名、女性7名)
日本からの招待参加者とプロフィール②
- 参加プログラム:先住民族女性リーダー国際フォーラム
フォーラム1:教育と文化「教育と文化継承における先住民族女性の影響力」 - パネリスト:荒田 このみ (あらた このみ)
ポンレ(アイヌ語のニックネーム):ニヌㇺ(ㇺは小文字)
民族共生象徴空間運営本部 企画調整課主査 - プロフィール:北海道旭川市出身。1987年10月生まれ(現在38歳)。幼少期からアイヌにルーツを持つ母方の祖母について歩き、アイヌ文化を身近に感じながら生活していたが、父親の転勤により6歳の頃に札幌へ引っ越してからはそれまで身近に感じていたアイヌ文化から離れた生活を送ることとなる。
2005年に参加した青少年国際交流(ハワイ)に参加をしたことをきっかけにアイヌにルーツを持つ仲間と出会い、自分のルーツについて興味を持ち始める。それ以来、古式舞踊を始め口承文芸やアイヌ語を学んできた。現在は同じアイヌにルーツを持つ男性と結婚し3人の子を授かったことで、学校教育または家庭内におけるアイヌ文化やアイヌ語の在り方、伝承(継承)方法などについて考えることが多い。子供たちがアイヌであることで苦労しない生活を送るために、親としてもアイヌとしても、どのように行動すべきかを考えながら、アイヌ文化(アイヌ語)の発信、復興に尽力している。
2011年、3年間の「アイヌ文化伝承者育成事業」修了。特にアイヌ語に興味を持ち、2011年から2015年まで、アイヌ民族博物館(ポロトコタン)でアイヌ語の聞き起こし業務などを担当。2016年~2018年、「実践上級講座口承文芸伝承者育成」事業の解説指導員を担当。
芸能の分野では、2009年にアイヌ古式舞踊復元チーム「チームnikaop」を結成。2014年から「帯広カムイトウウポポ保存会」に所属している。
第2次北海道アイヌ政策推進方策検討会議 構成員。






